風景の危機
「民家の画家」と呼ばれる向井潤吉(1901〜1995)をご存知だろうか、戦争の惨状を見て農山村に残る古い家々をいまのうちに描いておかなくては、という発想がライフワークとなった洋画家である。
全国津々浦々を旅して民家を絵にしているが、残念ながら小国の置き屋根の作品はない。
北は留萌から、南は知覧まで、民家風景を求めて旅をしている。「狭い日本も分析的に取材に行くと、想像以上に変化もあり、また式の移ろいもからんで意外と広いと感じていたが、今やどこを見回しても均等質化して平板な眺めになりつつある」と画業人生を締めくくっている。
農家の人は、芸術家だと思う時がある。ご本人たちは、綺麗に整理整頓しておかないと人に笑われるからだというが・・・田圃の畦や土手の草きり、稲の架け干し、藁こづみ、家の壁際に積まれた薪、農具の始末などなど芸術的にバランスよくお見事だと思う。
人の営みがつくり上げた風景は、これからの人たちが、どれだけ残していけるのだろう。 |

▲上田・江古尾地区 腰壁が板張りは、小国でも珍しい。
母屋から離れた、上下2つの蔵は絵にしたい。
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