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シューナは「いっしょに事を始めよう」というという小国地方の言葉です。

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芸術の秋
シューナが選んだ
    蔵のある
小国里風景
 紅葉のシーズン到来。杖立温泉下のダム湖畔の紅葉が湖面に映えて綺麗だ。小国の里山の紅葉も独特の置き屋根式の蔵と調和して特色ある風景をつくっている。後世に残したい蔵の風景を紹介しよう。


▲黒渕・下滴水地区 スケッチでは余分な電柱は省いてしまう。

 行楽の秋、食欲の秋、芸術の秋などと表現され、いざ行動となるが、芸術の秋だからといって、さァ絵を描きに行こうとする人は、そういない。せいぜい美術館に出かけるぐらい。そこで、だれにでも簡単に風景を切り取って楽しむ術をお教えしよう。
左右の手の指をL字に組み合わせて長方形の窓をつくり、額縁に見立てて片目を閉じて見る。基本的な線が見えてきたら、それを描く。
 そもそも絵のおこりは、人間が地球上に出現し、まず初めに道具をつくった。次に、道具にしるしをつけるようになった。それが絵の始まりとされる。
 今号の小国の蔵の風景としたのは景色だけでなく、その道具につけたしるしとして、蔵の風景としたのは景色だけでなく、その道具につけたしるしとして、蔵の壁にある家紋の風景も見て欲しい。男紋と女紋があって蔵の入口側と反対側で異なる発見がある。造った人たちのロマンに馳せると、蔵一帯の風景が違って見えるだろう。

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芸術の秋 シューナが選んだ蔵のある里風景
 

蔵の分布から歴史が見える


 平成11年、小国町ツーリズム実践研究会(会長佐藤一男)が依頼して熊本大学工学部建築活動研究室(桂研究室)が、小国の蔵を調査したことがある。町民の方の調査協力を得て244件の蔵が確認された。
 明治から大正時代にかけて建てられたものが多く、それまで草葺き(藁や茅)の屋根だったものが、竹瓦葺きとなり、次第にトタンや瓦葺きに変わり火災に強くなった。
 調査では、上田地区が最も多く84件、宮原地区が47件、黒渕地区が41件、下城地区が31件、北里地区が23件、西里地区が18件あることがわかった。しかも、全て2階建てとなっている。窓は、一つか二つが殆どで、南西と南東向きにあるが、入口の方位は、立地条件でばらついていた。





▲宮原・上町 川に面した蔵は、湧水地とケヤキの古木と
マッチして、対岸からなごましてくれる。



▲宮原・下町 川沿いの富くじ公園付近は蔵が集中している。


記憶の風景に故郷がある

 明治時代ともなれば百年以上も経ち、さすがに土壁は傷みが進んでいる。最近では補修され綺麗に蘇った蔵も見かけるが、ここ最近、鳩が置き屋根の隙間を狙って巣作りし、土を掘るため金網を張り巡らしている蔵や置き屋根形式を潰した蔵も見られる。
 車で走っていると国道沿いでは気がつかない蔵も、集落道では、いたるところで出会える。しかも、蔵の近くには必ずといってよいほど柿木が立っている。少し前まで、漆喰の白影に釣るし柿やトウキビがつるして干してあり、秋らしい風景があったのだが見かけなくなった。生活様式が一変して、その必要性がなくなったということだろう。絵心のある者にとっては、まことに惜しい風景だった。





▲北里柴三郎記念館の書庫蔵は廊下でつながっている



▲北里 本村地区 花に囲まれた蔵
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の再生をしむ3例     


▲ ロフトの寝室 K邸


▲喫茶 野いばらの実(北里地区)


▲囲炉裏を囲む談話室 Y邸

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風景の危機

「民家の画家」と呼ばれる向井潤吉(1901〜1995)をご存知だろうか、戦争の惨状を見て農山村に残る古い家々をいまのうちに描いておかなくては、という発想がライフワークとなった洋画家である。
 全国津々浦々を旅して民家を絵にしているが、残念ながら小国の置き屋根の作品はない。
 北は留萌から、南は知覧まで、民家風景を求めて旅をしている。「狭い日本も分析的に取材に行くと、想像以上に変化もあり、また式の移ろいもからんで意外と広いと感じていたが、今やどこを見回しても均等質化して平板な眺めになりつつある」と画業人生を締めくくっている。
 農家の人は、芸術家だと思う時がある。ご本人たちは、綺麗に整理整頓しておかないと人に笑われるからだというが・・・田圃の畦や土手の草きり、稲の架け干し、藁こづみ、家の壁際に積まれた薪、農具の始末などなど芸術的にバランスよくお見事だと思う。
 人の営みがつくり上げた風景は、これからの人たちが、どれだけ残していけるのだろう。



▲上田・江古尾地区 腰壁が板張りは、小国でも珍しい。
母屋から離れた、上下2つの蔵は絵にしたい。
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蔵のある風景 小国ツーリズム協会 宮崎暢俊
 蔵と母屋と柿木は三位一体である。人の住む家では母屋が主役である。蔵はあくまで脇役であるがそれでも風格がある。なぜかその横に必ずといっていいほど古い柿木がある。小国の町は蔵の多いふるさとである
 我が家の蔵からその役割を考えてみると、一番はやはり米の貯蔵庫である。次に、蒲団櫃と食器棚が目立つ。本家の蔵で多くの来客に備えたものである。特に、冠婚葬祭などの催事の備えである。食器類は有田焼が多い。有田から行商に来てた人たちがいたと聞いたことがある。そこで、お宝はとなるが、贔屓目に見ても高価なものとは感じられない。ただ、これらの器を使った座敷での宴はさすがに風情があった。祖母の米寿の祝いでは、二の膳つきの善の前に子どもの私が座った。豪華なものだった。
 蔵はその家の歴史であり、小国の風土を醸し出すものである。蔵のある風景を大切に、そしてお宝が増えていくことを願っています。

 
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